ヒロタカ精機は空油圧機器の製造・販売を通して世界の「ものづくり」に貢献します

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製品Q&A


ニューマチックブースタ(PBシリーズ)
Q1 油圧が上がりません。シリンダの推力が出ません。(導入初期)
Q2 スピード調整の方法は?
Q3 推力の調整方法が知りたい。どの程度の推力が出ているのか知りたい。
Q4 推力が出なくなったけど、どうすれば良い?
Q5 オイルが黒くなったが、交換は必要?
Q6 非常停止回路が必要です。どんな方法がありますか?
Q7 ニューマチックブースタをなるべく低い位置に設置したい。
Q8 推力管理をしたいがどのような方法がとれますか?
Q9 もっと上昇スピード(油圧シリンダ)を速くしたいのですが。
Q10 上向き、又は横向きで使いたい。
Q11 エア供給を止めると金型の重みで下がってしまう。止めたいけどどうすれば良いか?
Q12 電磁弁のサイレンサーからオイルが出ます。 原因と対策は?(導入初期)





Q01 油圧が上がりません。シリンダの推力が出ません。(導入初期)
A01 ご確認事項
・エアが供給されていること。
・オイルが適量に入っていること。
・エア抜き(マニュアル参照)の実施。
・設備元、又は高推力設定用減圧弁(レギュレータ)の圧力設定の確認。
・油圧圧力計、油圧センサーが付属しているのであれば油圧の確認。
・電磁弁が正常に動作しているかの確認。

-ご確認事項の他に原因として考えられる事項は-
・高推力送り動作の切替が早いため規定位置に達する前に高推力送りストロークが終わっている。

  →対策:油圧シリンダを早送りでワーク接触停止させた後、オートスイッチの位置をワーク側から逆方向に向かって再調整をしてください。

・高推力送りストロークが型締め位置まで達していない。反力がワーク自身の反発力なので外見的な推力、油圧はピークに達しません。

  →対策:高推力送りストロークが足りなければ、ニューマチックブースタの再選定が必要です。

・P2ポートのスピコンを絞り過ぎている。ブースタが動作せず、推力がでない。

  →対策:P2ポートのスピコンを調整します。

・早送り用電磁弁(SOL-1)と高推力送り用電磁弁(SOL-2)の動作順序が逆。高推力送り後に早送りとなり、高推力は出ません。

  →対策:PLC出力、又はコネクタを確認し、早送り用電磁弁(SOL-1)の動作後、高推力送り用電磁弁(SOL-2)が動作するよう変更します。
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Q02 スピード調整の方法は?
A02 エアシリンダのスピード調整と同等の調整方法となりますので、排気絞り(メーターアウト)での調整を行います。
油圧シリンダの戻り側ポート、又はニューマチックブースタの各空圧配管ポートにスピードコントローラを取り付けます。

-各動作のスピードコントローラ設置調整箇所-
 早送りスピード  :油圧シリンダの戻り側ポート(ピストンロッド出方向の調整はロッド側ポート排気絞り)
 高推力送りスピード:P2ポート(P2ポート排気絞り)
 早戻りスピード  :P3ポート(P3ポート排気絞り)
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Q03 推力の調整方法が知りたい。どの程度の推力が出ているのか知りたい。
A03 -推力の調整方法-
P1ポートへの供給エア圧力を調整することで無段階に調整可能です。
但し、電磁弁の一次側(供給側)の圧力を調整しますと高推力以外の推力も変わるため、動作スピード等に影響が出ますのでお勧めしません。

高推力送り用電磁弁とP1ポート間のエア配管ラインにレギュレータを設置し、調整します。レギュレータは逆流機能付きをご使用ください。
また、二圧回路、電空比例弁などを組み込むことで複数圧設定もできます。


-推力の算出、測定方法-
①供給エア圧力(P1ポートへの供給エア圧力)から算出する方法
 各モデル毎に空油圧変換の増圧比が決まっています。ニューマチックブースタで操作する油圧シリンダの内径面積に増圧比分を乗ずると
 エア圧力0.1MPaあたりの高推力値が求められます。また、供給エア圧力を乗じますと理論高推力値となります。

 例:ニューマチックブースタ:PB-50タイプ(空油圧増圧比 25倍)
   使用油圧シリンダ:内径50mm(受圧面積1962mm2)
   供給エア圧力:0.4MPa

   1962mm2(受径面積)x25(増圧比)x0.1(MPa)=4905.0(N)  1962mm2(受径面積)x25(増圧比)x0.4(MPa)=19620(N)
   よって、PB-50タイプで内径50mmの油圧シリンダを動作させた場合、供給エア圧力0.4MPa時の理論推力は19620(N)となります。

②油圧圧力計、圧力センサーの値から算出する方法
 油圧回路内に圧力計又は圧力センサーを設置した場合、油圧シリンダの内径面積に高推力送り時の油圧を乗ずると理論高推力値となります。

③ジグ、金型側にロードセルを設置しますと、実際の加工、圧縮荷重が測定できます。
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Q04 推力が出なくなったけど、どうすれば良い?
A04 始めに以下をご確認ください。
・オイルが適量に入っていること。
・設備元、又は高推力設定用減圧弁(レギュレータ)の圧力の確認。
・油圧圧力計、油圧センサーを設置しているのであれば油圧の確認。
・電磁弁が正常に動作しているかの確認。

高推力送り時の油圧が上がらない、又は一瞬上がった後に下がってしまう場合

 →対策:パッキンの劣化、損傷によるシール性低下と思われます。オーバーホール又はパッキン交換が必要です

高推力動作終了後の早戻り動作時にブースタの戻りスピードが速く、オイルが負圧化して泡状のオイルになり圧縮低下を引き起こしている。

 →対策:P1ポートにメーターアウトでスピコンを設置し、排気を調整して内蔵ブースタの戻りスピードを遅くする。
     -調整方法-
      始めスピコンを強めに絞り、ニューマチックブースタの戻り速度を下げます。
      ニューマチックブースタを動作させながらスピコンを開いていくと、油圧シリンダの高推力ストローク部の戻り速度も
      徐々に速くなります。
      ある程度開きますとそれ以上速度変化が起こらなくなりますので、そこから少し絞って調整を終えます。

高推力送り用電磁弁が作動不良を起こしていると想定される場合

 →対策:高推力送り用電磁弁と早送り送り用電磁弁を入れ替え、電磁弁の作動状態をご確認ください。

高推力設定用レギュレータが作動不良を起こしていると想定される場合

 →対策:レギュレータを交換してください。
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Q05 オイルが黒くなったが、交換は必要?
A05 オイルが黒くなる原因として
1.コンプレッサーからのドレン、水分の混入。(特に梅雨時期に多い)
2.パッキンと部品の摺動摩擦熱によるオイル劣化。
3.パッキンの初期磨耗粉発生。
などが考えられます。

2、3は製品の性能に特に影響を及ぼすものではありませんので、そのまま継続してご使用ください。
1のドレン、水分の混入度合いが多い場合、見かけ上のオイル量も増えます(オイルレベルで判別可能)。
この場合はパッキン、部品に悪影響を及ぼしますのでオイルを交換してください。

尚、ご使用いただくオイルは「耐摩耗性油圧作動油 粘度等級:推奨VG22、又はVG32」です。
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Q06 非常停止回路が必要です。どんな方法がありますか?
A06 非常停止時の油圧シリンダの動作をどのように希望されるかで決まります。

1.非常停止時にピストンロッドが引き側に動作(元位置復帰)
  早送り用、高推力送り用電磁弁を2位置シングルにします。

2.非常停止時にゆっくりと停止
  早送り用電磁弁を3位置クローズドセンタにします。

3.非常停止時に「その場停止」
  ストップバルブ(別売り)を油圧配管ラインに設置します。また、早送り用電磁弁は2位置シングルにします。
  2位置ダブル、3位置は不可です。
  高推力送り用電磁弁は高推力送り動作中の停止を考慮し、3位置エキゾーストセンタタイプを推奨。
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Q07 ニューマチックブースタをなるべく低い位置に設置したい。
A07 ニューマチックブースタと油圧シリンダを接続する油圧ホースを長くするとニューマチックブースタを低く設置することができます。
但し、下記の条件以内の長さまでとなりますのでご注意願います。

-ホース長さの条件-
 ・ご使用される油圧ホース(継手含む)内の全容量が、油圧シリンダを早送りした時の油量の半分以下であること。
 
 例:使用する油圧シリンダ  内径 80mm(受圧面積50.24cm2)、ストローク 150mm、ロッド出方向に油圧使用
   早送りストローク    130mm
   使用油圧ホース     呼び3/4(内径19mm、内径面積2.83385cm2)

   この場合、早送り時の油量は
     50.24cm2(油圧シリンダの受圧面積)x13cm(早送りストローク)=653.12cc
     となり、その半分は326.56ccです。
   326.56ccが内容量となる呼び3/4の油圧ホース長は
     326.56cc÷2.83385cm2(油圧ホース内径面積)=115.23cm
   よって約115cmまでの油圧ホースを使用して、ニューマチックブースタを低く設置することができます。
   また、動作スピードに余裕があるのであれば、油圧ホースのサイズを下げることで更に長いホースの利用が可能です。
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Q08 推力管理をしたいがどのような方法がとれますか?
A08 目視による推力管理と電気的出力による推力管理ができます。

-目視による推力管理-
 ・高推力設定用減圧弁の圧力での管理。
 ・油圧圧力計の圧力での管理。

-電気的出力による推力管理-
 ・高推力用空圧配管ライン(P1ポート供給エア圧力)に空圧圧力センサーを設置し、空圧での管理。
 ・油圧圧力センサーを油圧配管ラインに設置し、油圧での管理。
 ・ロードセルをジグ、金型に設置し、実推力での管理。

尚、推力測定の精度はロードセル、油圧圧力、空気圧力の順に下がります。
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Q09 もっと上昇スピード(油圧シリンダ)を速くしたいのですが。
A09 1.供給エア圧力を上げる。
  油圧シリンダの取り付け方向がロッド下向きの場合は油圧シリンダのロッド側配管ポート、
  油圧シリンダの取り付け方向がロッド上向きの場合はニューマチックブースタのP3ポートの供給エア圧力を上げると
  上昇スピードは速くなります。他のポートのエア圧力を上げる必要はありません(省エネ)。

  →対策:コンプレッサーからの供給エア圧力を上げられない場合は、増圧弁を用いて供給圧力を更に上げる。

2.空圧配管、油圧配管は「太く」、「短く」。
  供給側エア流量、排気側エア流量、オイル流量の確保がスピードに直結します。

3.空圧機器は適正なサイズを選定。
  空圧配管と同じく、電磁弁、レギュレータ、サイレンサー、継手などの機器もニューマチックブースタのサイズ、空気消費量に見合った
  サイズとしてください。

4.負荷重量(ジグ、金型、プレート)は軽く。
  負荷重量が重いほど上昇スピードは遅くなります。
  軽くできない場合には、供給エア圧力を上げる等の方法があります。

5.エアシリンダ等の設置により、上昇補助を行う。
  油圧シリンダの上昇推力が不足の場合、エアシリンダ等で負荷重量の持ち上げ推力を補助することでスピードは速くなります。
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Q10 上向き、又は横向きで使いたい。
A10 ニューマチックブースタはオイル吐出口が下になるように設置してください。それ以外の設置はできません。

設備高さの規制がある場合など、他機種での代替案もございますので都度ご相談ください。
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Q11 エア供給を止めると金型の重みで下がってしまう。止めたいけどどうすれば良いか?
A11 圧縮空気を封入する方法と機械的に止める方法があります。

1.シリンダ内部の圧縮空気を封入して上昇推力を維持する方法(油圧シリンダのロッド側ポート内の圧縮空気を封入)
  ・早送り用電磁弁を3位置クローズドセンタタイプにしてポート内の圧縮空気を封入する。(ストップバルブと併用不可)
  ・早送り用電磁弁を3位置パーフェクトタイプにしてポート内の圧縮空気を封入する。(ストップバルブと併用不可)
  ・ポートの空圧配管継手をパイロットチェックタイプにしてポート内の圧縮空気を封入する。(ストップバルブと併用可)

2.機械的に止める方法
  ・昇降ガイドシャフトを設置し、リニアブレーキ(メカロック式ブレーキ)を併用して停止、静止させる。
  ・スライド式ストッパーを設置する。但し、上限位置のみ停止可能。
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Q12 電磁弁のサイレンサーからオイルが出ます。 原因と対策は?(導入初期)
A12 1.P3ポートからのオイル漏れの場合。
  原因:高推力動作終了後の早戻り動作時に内蔵ブースタの戻りスピードが速く、オイルの負圧化により泡状のオイルが出る。

     →対策:P1ポートにスピコンが設置されていない場合はメーターアウトでスピコンを設置してください。
         -調整方法-
          始めスピコンを強めに絞り、ニューマチックブースタの戻り速度を下げます。
          ニューマチックブースタを動作させながらスピコンを開いていくと、油圧シリンダの高推力ストローク部の戻り速度も
          徐々に速くなります。
          ある程度開きますとそれ以上速度変化が起こらなくなりますので、そこから少し絞って調整を終えます。

  原因:セットアップ時のオイルの入れ方が悪く、ニューマチックブースタ内でオイルが噴出した。

     →対策:セットアップ時にオイルを入れる場合、油圧シリンダは必ず元位置(ロッドが引き込んだ状態)で入れてください。
         ニューマチックブースタ、油圧シリンダの設置、エア配管の終了後にエアを供給し、全ての機器を元位置にセットした後、
         給油を行ってください。
         また、必要以上の量のオイルを入れますと同様にP3ポートからオイルが噴出します。
         取扱説明書を参照いただき、適正かつ安全に実施してください。

2.油圧シリンダのパッキン不良
  原因:ご使用される油圧シリンダ、油圧アクチュエータの種類によってはパッキンのシール不足などによりオイル漏れが発生します。

     →対策:漏れ量の少ない油圧シリンダ、油圧アクチュエータをご使用ください。
         また、少量の漏れ(パッキンの摺動漏れ)の場合は、電磁弁の排気側に排気クリーナーを設置してください。
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